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指ぬき

"指ぬき"と言われて、男性諸君は何のことを言ってるか分かるだろうか。

裁縫をする際に使う金属製(または革製)の指輪のことで、それで針の頭を押すのに使うのだ。

針仕事に指ぬきなしでもできないことはないが、あるとすごく便利。

布が何枚も刺さった針を引き抜くのに、指ぬきなしだととても力がいるが、指ぬきで針を押しておけば簡単に引き抜ける。

裁縫する際には、私はほとんどの場合使う。


で、その指ぬきを使っていると、いつも思い出す昔のエピソードがある。

中学校時代の話だ。

家庭科の授業参観の折、親子で一緒に裁縫をするという時間があった。

私の親は来てなくて、私は一人で作業をしていた。

縫物は得意な方だったので、別に一人だろうと全然かまわず作業を続けた。

ところで、指ぬきには短針用と長針用がある。

一般的には短針用のものがよく使われていて、指輪の形をしている。

長針用は、指で押すのではなく手の平で押すようにするため、短針用とは少し違った形をしていて、着ける場所も違う。

私は、針に何枚も布を通しておいてから一気に引き抜いて縫うことができる長針を愛用していたので、当然指ぬきも長針用のものをしていた。

すると近くにいたあるお母さんが、

「最近の子は、指ぬきの付け方も知らないのね。見て、あんなところに着けてる。」

と私に聞こえるように、わざわざ大きな声で他のお母さんに言った。

いるよねー、こういう人。

人の悪口をわざわざ聞こえるように、でも他の人に言う人。

ところがね、おかしいことにそのお母さん自身が、指ぬきの使い方を知らなかったの(笑)。

私の近くで裁縫箱から意気揚々と長針用の指ぬきを取り出すと、得意げに短針用の指ぬきをつける場所に着けて裁縫をやりだした。

おかしいので、それとなくその人の様子を観察していると、裁縫は全然下手。

おまけに指ぬきの付け方が間違っているので、その指ぬきを使いこなすことができない。

さんざん悪戦苦闘した挙句、全然進まない手芸品を前にして言った言葉が、

「こういうのはお父さんの方が得意なんだよね。お父さんだったら、簡単にできてるよ。」

ですって(内心爆笑)。

長時間作業してもぜんぜん作品はできなくて、子供の前でダメっぷりを披露しているその姿があまりにも哀れで、少なくとも指ぬきの正確な使い方さえわかればもうちょっとまともな縫物ができるだろうと、私は助け舟を出すことにした。

一度の意地悪くらいで意地を曲げるほど、私の根性は曲がってないのだ。

「指ぬきの使い方が間違ってますよ。長い針用のは、こうやって着けるんですよ。」

私は、自分の手を差し出しながら、その人に向かってそう言った。

はっきりと、大きな声で。

ところがその人自身が、始めのころに私の悪口を言っていたのをきまり悪く思ったのか、なんと私の言葉が聞こえないふりをした。

ほんとに近くで、他の人がその人の顔を見直すぐらいはっきりと聞こえてるのに。

ここで、

「あら嫌だ、私がまちがっていたのね、オホホホホ。」

ぐらい言って指ぬきを直したりすればまだ可愛げがあっただろうど、こちらを見ないようにしながらもきまり悪くしている姿は、全くみっともなかった。

ま、そっちがそういうつもりなら手助けなんてしてやる必要はない。

私の作業には関係ないんだし。

そんな風にして私は黙々と作業して、手芸品を完成させた。

家庭科の場合はだいたいそうだが、完成させるとまだできていない人達がやり方を教わりにやってくる。

そういう人達に私は、縫い方を教えたり、時によっては一緒に作業してあげたりしていた。

すると、その裁縫が全然ダメダメなお母さんも、自分ではできないと思ったのか他の人にやり方を聞き始めた。

ところがその人の場合、かなり始めの布の合わせ方の部分でつまづいていたので、他の人たちももうどうやってやったのか覚えていなかった。

いろんな人の間をまわって、最終的に私のところに、

「これ、どう合わせるの?」

という言葉とともに、布が回ってきた。

さすがに二度も意地悪をされた人の作品なんて、手伝ってやる気になんてならないよね。

おまけに本人から直接聞かれたわけでもないし。

その頃には、そのお母さんも私の実力が分かってきていて、こちらを見ていたけど、少し布を見るふりをしてから「分からない。」と言って、そのお母さんに直接返してやった。

その後のことは、あまり覚えていない。

時間中にできなかった人たちは、居残りをしていったかもしれないが、私はさっさと帰ってきてしまったから。


以上が指ぬきを使うとどうしても思い出す、馬鹿馬鹿しい私の記憶の残照だ。
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プロフィール

月野

Author:月野
現在、病気療養中の四十代の女性。
最近少し忙しいので、あまり記事も書けないし、コメントの返事も遅くなるかもしれません。
ですが、過去の記事にコメントいただけるのは嬉しいので、歓迎しています。

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