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無量大数

そうそう言い忘れていたが、『パイプのけむり』はエッセイ集だ。

ここでエッセイを取り上げるのは初めてだったかな。

それでその昔私が『パイプのけむり』を読んで面白いと感じたエッセイの中で、最高だったのが「無量大数」というエッセイ。


内容は、著者の團伊玖磨さんが、ある時急に数字の兆の上単位は何か気になり始める。

「兆の上だったら京(けい)でしょ。」と、私は一応そのもう一つ上までは分かる。

團さんの友人たちも同じで、訊いてみたらやっぱり京までは分かる。

でもその上がなかなか分からないのだ。

喫茶店に入って珈琲を飲んだ團さんは、日本銀行に訊く事を思いつく。

すぐさま日本銀行に電話すると、数字の神様のような人が出てきて、親切に全部(漢字まで)教えてくれたそうだ。

その結果だけを書く。

万の一万倍が億。

億の一万倍が兆。

兆の一万倍が京(けい)。

京の一万倍が垓(がい)。

垓の一万倍が秭(し)。

秭の一万倍が穣(じょう)。

穣の一万倍が溝(こう)。

溝の一万倍が澗(かん)。

澗の一万倍が正(せい)。

正の一万倍が載(さい)。

載の一万倍が極(きょく)。

極の一万倍が恒河沙(こうがさ)。

恒河沙の一万倍が阿僧祇(あそうぎ)。

阿僧祇の一万倍が那由多(なゆた)。

那由多の一万倍が不可思議(ふかしぎ)。

不可思議の一万倍が無量大数(むりょうたいすう)。

そして、数というものはここでおしまいになるそうなのだ。

数に終わりがあると知って、團さんは箆棒(べらぼう)に愉快になるのだが、私もやっぱりベラボウに愉快だ。

特に恒河沙(こうがさ)以降の名前は、数字の単位とは思えないようなネーミングだ。

不可思議なんて、不思議っていう意味じゃん。

ここまでくると、まあ滅多に使う事もないから、こんな感じになったのかね(笑)。


ついでに小さい方の単位は、数字の神様のような人によると十分の一ずつ単位が変わっていくそうだ。

一の十分の一が分(ぶ)。

分の十分の一が厘(りん)。

厘の十分の一が毛(もう)。

毛の十分の一が糸糸(し)。

糸糸の十分の一が忽(こつ)。

忽の十分の一が微(び)。

微の十分の一が繊(せん)。

繊の十分の一が沙(しゃ)。

沙の十分の一が塵(じん)。

塵の十分の一が挨(あい)。

挨の十分の一が渺(びょう)。

渺の十分の一が漠(ばく)。

漠の十分の一が糢糊(もこ)。

糢糊の十分の一が逡巡(しゅんじゅん)。

逡巡の十分の一が瞬息(しゅんそく)。

瞬息の十分の一が弾指(だんし)。

弾指の十分の一が刹那(せつな)。

刹那の十分の一が六徳(ろくとく)。

六徳の十分の一が虚(きょ)。

虚の十分の一が空(くう)。

空の十分の一が清(せい)。

清の十分の一が浄(じょう)。

これで小さい方もおしまいなのだそうだ。

小さい方の単位は最初はカビやホコリっぽい感じだけれど、だんだん偉そうになっていって、その挙句最後にはきれいな空気のようになっていってしまうね。

これはこれでまた面白い。


こういう普段の生活に役にも立たないような知識って、大好きかも(笑)。
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月野

Author:月野
現在、病気療養中の四十代の女性。
最近少し忙しいので、あまり記事も書けないし、コメントの返事も遅くなるかもしれません。
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