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『古事記』を読んでいると、どうも同じ神話としてギリシア神話と比較したくなる。

たまに似たような境遇の話が出てくるからだ。

伊耶那岐命(いざなぎのみこと)が自分の妻を迎えに黄泉国へ行ったが、ギリシア神話にも妻を迎えに黄泉国まで行った話がある。

それが、オルペウスとエウリュディケのお話。

ざっとあらすじを書くと、この話の主人公・オルペウスは、父にアポロン、母にムーサ(九人の女神の群)の一人であるカリオペを持った人物だ。

父のアポロンは太陽神であるとともに、弓と予言と音楽の神でもあり、竪琴の名手である。

母のカリオペは、叙事詩をつかさどっている女神だ。

両親から芸術のセンスを受け継いでいる彼は、父にもらった竪琴で弾き語りすると、誰にも達する事の出来ない音楽の妙域に達した。

彼の美しい音色は、人間のみならず、野獣や岩や樹までを魅了した。

そのオルペウスは、エウリュディケという美しい妻と結婚するが、幸せは長くは続かない。

結婚して間もなく、エウリュディケはアリスタイオスという牧者に追いかけられる。

エウリュディケの美しさに、アリスタイオスが惹きつけられたからだ。

が、逃げる途中で彼女は蛇を踏みつけてしまい、足を噛まれて死んでしまう。

オルペウスはひどく悲しみ、黄泉の国に行って、妻を返して欲しいと切々と歌う。

その歌に、幽霊達も、タンタロスも、イクシオンも、禿鷹も、ダナオスの娘達も、シシュポスも、復讐の女神達も、そして冥界の王の妻ペルセポネも涙を流した。

冥界の王ハデスもついには心を動かされ、エウリュディケを連れていってもいいという許しを出す。

ただし二人が地上に帰りつくまで、オルペウスは、妻を振り返って見てはならないという条件付きでだったが。

オルペウスは不安と戦いながら、暗闇の中を急いだ。

後ろには妻が付いてきてるはずだが、その気配がしない。

聞えてくるのは、暗闇に響く自分の足音だけ。

もしかしたらハデスに騙されたのかもという不安が膨れ上がる。

でも、振り返る事は出来ない。

今ははやる気持ちを抑えて、急ぐしかない。

その時、わずかな光が彼の顔を照らした。

やっと地上だ。

嬉しさのあまり、オルペウスは思わず振り返ってしまう。

だがまだ早すぎたのだ。

妻は、たちまち地の底に落ちていこうとする。

二人は腕を伸ばして互いに抱き合おうとしたが、ただ空をつかむばかり。

妻はまた死んでいきながらも、夫を責める事は出来なかった。

自分を見たいばかりに早まったのを、どうして咎められることが出来るだろうか。

「さようなら」彼女は言った。

「これきりです。さようなら。」


さてさて、これがギリシア神話の夫が妻を黄泉国に連れ戻しに行く話なのだが、何ともまあ日本神話と違うこと。

特にラストの部分が、日本バージョンでは互いにののしり合って別れているのに対し、ギリシア神話の美しいこと!

互いに伸ばした腕が空をつかみ、それでも妻が夫を責める事もなく、地の底に落ちていくエウリュディケの顔の哀しさと美しさと言ったら、想像しただけでも映画になりそうな光景だ。

やっぱギリシア神話の方が、同じ悲劇でも感動的だよね。


ちなみに、オルペウスが黄泉国へ行った季節は冬という事になりますね。

何故なら、冥界の王ハデスの妻のペルセポネがいたから。

彼女は一年の三分の二は地上にいますが、一年の三分の一にあたる冬には黄泉国にいなくてはならないので。

これは彼女が、穀物の種子であることを意味しているとも言われます。

春になると彼女は地下から芽を出し、農耕の女神である母のデメテルのところへ帰ってきて、地上に穀物を実らせるのです。

・・・ギリシアの方の冬って、寒いのかなぁ?
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月野

Author:月野
現在、病気療養中の四十代の女性。
最近少し忙しいので、あまり記事も書けないし、コメントの返事も遅くなるかもしれません。
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